日美同盟的强化是中国的乌龙球——历史的攻击与亚投行
2015-05-03 17:30:25



日美同盟的强化是中国的乌龙球——历史认识的攻击与亚投行
遠藤誉 | 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士
2015年5月2日 16時15分
作者:遠藤誉 (注:1941年生于中国,经历了中国革命战争后于1953年回到日本。曾担任中国社会科学院社会科学研究所客座研究员)

 
安倍首相の米議会演説に中国は不快感を示した。日本への歴史認識攻撃により日米同盟離反を狙ってきたが、それが功を奏していない。米国の弱体化と中国の強大化が日米の距離を縮めたという中国のいら立ちを読む。


对于安倍首相的美国议会演说中国表示了不快感,其利用对日本的历史认识攻击来挑拨日美同盟的企图没有奏效。由于美国变弱和中国变强日美的距离也更近了,从中可以读出中国的焦虑。


◆スマートだった安倍首相の米議会演説
◆聪明的安倍首相美国议会演说


4月29日、安倍首相は日本の歴代総理で初めて米上下院合同会議における演説を行った。よほど練習したのだろう、英語による演説は、ときどき単語の切り場所をまちがえたり、またWARなどの発音に多少の違和感を覚えたが、なかなかのものだ。


4月29日,安倍首相在日本历代总理中首次在美国上下议院联合会议上发表了演说。想必是练习了很久吧,这次用英文的演说,虽然时不时搞错了单词的停顿位置,还有War之类的发音多少有些别扭,但总的来说相当不错。


特に70年前の2月、23歳の海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島に上陸したというローレンス?スノーデン海兵隊中将と、当時の栗林忠道大将?硫黄島守備隊司令官を祖父に持つ新藤義孝国会議員を並ばせて「和解」の象徴として見せたのは、うまい演出であったと思う。
特别是曾在70年前的2月,率领连队登陆硫磺岛的当时还是23岁海军陆战队上尉的Lawrence Snowden陆战队中将,与当时的硫磺岛守备司令栗林忠道大将的孙子新藤义孝国会议员,这次安排了他们站在一起作为“和解”的象征而展示。我认为是一次漂亮的表演。


それは少なくとも、第二次世界大戦で戦った日米が、今では互いに未来を見据えて同盟を強化しようとしていることを世界に訴えるのに十分な効果を持ったであろう。
先の大戦に痛切な反省を抱いていることと現在の友情を強調することにより、「謝罪」という種類の単語を使わなくとも、悔恨を表現できたのは、スマートだった。


至少在二战中战斗过的日美如今已经面向未来而要强化彼此的同盟关系,对世界发送这个信息已经充分达到了效果。
通过抱有对上次大战痛切的反省和对现在友情的强调,不使用“谢罪”等词语也能表达了悔恨的情绪,很聪明。


中国や韓国、および在米チャイナ?ロビーやコリアン?ロビーは、アメリカの「民主と人権」を重んじる文化に訴えて、日本の戦争犯罪を糾弾する姿勢をやめないが、それをただひたすら「謝罪」あるいは「お詫び」という単語の欠如に求めるには無理がある。
もちろん安倍首相が「謝罪します」「お詫びします」という言葉を発するのは、そうむずかしいことではない。それを音として発すればいいのだから。しかし、その言葉を使ったところで、「心が伴ってない」とか「言動不一致だ」として、次の非難の言葉は用意されているだろう。


中国和韩国,还有在美的China Lobby(注:指受中国影响的国会势力)和Korean Lobby们,利用美国重视“民主和人权”的文化,一直不放弃纠弹日本战争犯罪的立场。不过结果变成了一个劲儿强调没有使用“谢罪”或者是“道歉”这类的单词,这还是有些不妥吧。
当然了,安倍首相说出“我谢罪”或者“我道歉”这些话并不困难。只要正确发出声音即可。然而,就算用了这些措辞,“没走心”呀,“言行不一致”之类的,接下来还是会有批评等待着吧。


要は、「謝罪」「お詫び」という単語を使うか否かではなく、いかなる「心」を持ち、どのような姿勢で今後アジアと付き合っていくかが問題なのだ。
少なくとも、米議会における米国人を対象とした謝罪と反省の思いは、十分に伝わっただろう。


也就是说,“谢罪”“道歉”这些词用不用不是重点,关键是怀有怎样的“心”,以怎样的姿态和今后的亚洲交往才是问题所在。
至少在美国议会上以美国人为对象的谢罪和反省的心情,已经充分传递了吧。


スタンディング?オベーションは、一種の議会儀礼だ。
1943年2月18日、当時の「中華民国」の宋美齢(そうびれい)?(蒋介石)総統夫人は、同じ壇上で演説をしている。
知性と美貌の持ち主であった彼女は、華麗な英語で「日本と戦っている中華民国への援助」をアメリカに訴えた。うまくアクセスできるかどうか分からないが、彼女の声を聴きたかったら
をクリックしてみてほしい(「広告をスキップ」をクリックすると、宋美齢の肉声が聞こえてくる。パソコンの設定によってはダウンロードまでに時間がかかったり、場合によってはアクセスできないこともある。その節はお許し願いたい)。


所谓的Standing Ovation,是一种议会礼节。
1943年2月18日,当时“中华民国”的宋美龄总统夫人曾在同样的讲台上演说。
拥有知性和美貌的她以华丽的英语对美国提出了“援助和日本作战的中华民国”这一诉求。不知道大家能不能连上,不过如果想听听她的声音,
 


演説が終わると、拍手は鳴りやまず、スタンディング?オベーションで彼女の演説を讃えた米議会議員たちは、いつまでも座ることをしなかった。
ときのルースベルト大統領は「神が許す最高の速度で、中国を支援する」と宣言し、日本を敗戦へと追いやったのである。
その日米が怨讐を越えて、こうして和解しているのは、意義深いことである。


当时的演说结束后,鼓掌不停,以Standing Ovation来赞赏她的演说的美国议员们,半天都不打算坐下。
当时的罗斯福总统宣称“要以上帝允许的最高速度来援助中国”,从而最终将日本逼入败战的结局。
这样的日美能够跨越怨恨,以现在这样的方式和解,实在是意义深远。

 

◆肩透かしを食らった中国
◆拳头打在空处的中国


アメリカにおけるアメリカ人を対象とした演説ではあったが、安倍首相は「みずからの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません」とアジアについても触れた。 「歴代総理と全く変わらない」という言葉は、河野談話と村山談話を引き継ぐということを言ったのと同様だ。


虽然是在美国以美国人为对象的演说,不过安倍总理也谈到了亚洲,表示“自身的行动给亚洲各国人民带来了痛苦这一事实不能无视。关于这些问题的想法,和历代总理完全没有任何变化。”
“和历代总理完全没有任何变化”这句话,等于是说继承河野谈话和村山谈话。


特に河野談話に関しては、「紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。私たちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません」という表現で「慰安婦問題」を表したものと考えられる。この問題はストレートな言い方をしてしまうと、朝日新聞の報道や河野談話を導いたプロセスなどにも抵触し、デリケートだ。それを避けるために、あえてこの表現にとどめたものと思う。


特别是河野谈话方面,(安倍首相)以“冲突中常常受伤的就是女性。我们的时代一定要实现女性人权不受侵害的世界”的方式谈及了“慰安妇问题”。关于这个问题如果直截了当地表达,会与朝日新闻的报道(注:之前朝日新闻曾撤回慰安妇相关报道并道歉)以及导致河野谈话的过程相抵触,十分微妙。所以为了避免这些棘手的问题,而使用了这样的表达方式吧。


しかし中国としては(韓国にとっても)、不快でならない。
中国は安倍首相が「歴史を正視しない」ことを批判し、韓国は「謝罪しない」ことを批判した。
中国もバンドン会議における日中首脳会談直前まで、「謝罪」という言葉を安倍首相がインドネシアのジャカルタにおけるスピーチで使うか否かによって、首脳会談をやるか否かを決めるといった報道が流布したが、「謝罪」という言葉がなかったのに、日中首脳会談は行われた。もっとも習近平国家主席は安倍首相のスピーチが始まると会場を抜けたので、「謝罪」という言葉を使ったか否かに関して「関知せず」という逃げ道を作ったのではあったが……。


然而在中国(还有韩国)看来,实在是很不愉快。
中国批评安倍首相“不正视历史”,韩国也批评其“不谢罪”。
中国在万隆会议日中首脑会谈之前,散布消息说安倍在印尼雅加达发表的演说是否使用“谢罪”一词,将决定是否进行首脑会谈。
然而明明没有“谢罪”一词,日中首脑会谈还是举行了。本来嘛,Xi国家主席在安倍首相演说一开始就离开了会场,所以可以辩称是否用了“谢罪”一词自己不知道,制造了这样的逃避手段……


この前例がある限り、中国はもはや「謝罪をしないのなら」という前提の攻撃はできない。そのカードはバンドン会議で失ってしまった。
これまで習近平政権が歴史認識に関して激しい攻撃姿勢に出たのは、日米を乖離させたかったからだ。習近平政権誕生前から、筆者はそのことを指摘してきた。アジア回帰したいアメリカを牽制するため、日米同盟がある日本を歴史問題で攻撃すれば、アメリカの立場が弱くなる。だから反日は加速しても、日本はターゲットではなく「手段だ」と主張してきたのである。
その視点からすれば、習近平政権の戦略は、少なくともこの問題に関しては失敗したとみなしていいだろう。


有了这样的先例,中国已经无法再用“如果不谢罪就怎样”这样的攻击了。
这张牌已经在万隆会议上失去了。
到目前为止Xi政权在历史问题上表现出激烈的进攻姿态,目的在于分离日美。在Xi政权诞生前笔者就已经指出这个问题了。为了牵制回归亚洲的美国,以历史问题来攻击日美同盟的日本,美国的立场将变弱。所以我一直主张,虽然反日发展迅速,但日本并不是目标而只是“手段”而已。
从这个角度看,Xi政权的战略至少在这个方面已经可以看做失败了。


◆中国のオウンゴール――中国主導のAIIBがアメリカに抱かせた危機感
◆中国的乌龙球――中国主导的AIIB令美国抱有了危机感


中国は中国主導アジアインフラ投資銀行によって世界57カ国をリードし、中国を中心とした世界秩序を形成しようとしている。このことがオバマ大統領に焦りと危機感を抱かせ、未だかつてない勢いで日本を礼賛し、安倍首相を厚遇した。
この流れの中で、安倍首相はオバマ大統領の期待をほぼすべて叶えてあげようとしているのである。
その結果、日本がどこに突き進んでいくのか、ここには疑問符が残る。
これからが問題だ。


中国通过中国主导的亚投行而领导世界57国,试图以中国为中心建立世界秩序。这件事情令奥巴马总统深感焦虑和危机,因而以前所未有之势称赞日本,隆重招待了安倍首相。
在这样的情况下,安倍首相则试图满足奥巴马总统的几乎所有期望。
其结果,日本能够做到什么地步,还留有疑问号。
今后的发展是关键。


しかし少なくとも、かつてないほど日米同盟を強固にしたことだけは確かだと言っていい。
中国は日米同盟と安保体制は冷戦時代の残渣だと非難している。
その程度のものでしかなかった日米同盟を、戦後体制を覆すほどの大転換をもたらす同盟に持っていってしまったのは、実は中国自身なのである。
これは中国のオウンゴールだと断言しても過言ではないだろう。
あのしたたかな「紅い皇帝」習近平も、ここを見落としたのではないのか――。
中国外交部報道官の、日本の歴史認識を攻撃する表情に、いら立ちがにじんでいる。
中央テレビ局CCTVの安倍首相演説批判も、心なしか「精彩」を欠く。


然而至少可以说,日美同盟以空前的程度得到了强化。
中国批评说日美同盟和安保体制是冷战时代的残渣。
不过只是残渣那种程度的日美同盟,现在却被改变为带来颠覆战后体制大变化的同盟,其始作俑者却是中国自己。
如此,可以断言是中国的乌龙球也不为过吧。
那位强悍的“红色皇帝”Xi,这回是不是也漏算了一次呢——
中国外交部发言人攻击日本历史认识时的表情,渗透着一种焦虑和烦躁。
中央电视台CCTV对安倍首相演说的批评,似乎也欠缺了一点精彩呢。